かたつむり

 ある所に金持ちの老夫婦が住んでいました。子供がいないので、神様に「どうか子供を一人お授け下さい。一人でなく、半人分でもかまいません」とお祈りしました。その甲斐があったのか、やがて足のない子が生まれました。足がないので、「かたつむり」と名付けました。「かたつむり」は健やかに大きくなっていきました。

 ある日、かたつむりが外で遊んでいると、きれいな娘が通りかかりました。かたつむりはその娘が欲しくてたまらなくなり、母親に、「貰ってください」と頼みました。

 母親はすぐに媒人を呼んで、多額のお金を渡しました。媒人は喜んで帰っていき、すぐにお嫁さんになるべく、娘を連れてきました。ところが、娘はかたつむりを見ると、しくしく泣き始めました。かたつむりは、「お母さん、今晩、桶にお湯をいっぱい入れて寝室の真中に置いてください」と頼みました。

 母親がその通りにすると、かたつむりは夜が更けてから寝室に這い上がり、お湯の中に坐って、どうぞ足が生えますようにと神様にお祈りました。するとどうでしょう。たちまち足が生えてきて、かたつむりは愛らしいお婿さんになったということです。